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● 時のメロディ番外編『最後のコンサート』 --- 8,ひとそれぞれ… ●

「DAシスターズ同窓会、いよいよだね」
「同窓会なんて、そんなに大げさなものではないですって」
 朝風ルナら4人で組まれていたアイドルグループ『DAシスターズ』の同窓会と銘打った番組のロケの当日を向かえた早朝、番組に出演する高橋と、ロケバスを運転するスタッフとして参加する松本が、出発に備えて準備をしていた。
 早朝に出勤すると、使用する貸切バスの点検と清掃を済ませていた。
「おはよう。2人とも、朝からお疲れ」
「おはようございます。でも、まだ始発便の点呼を取るにしても、まだ早いですよ??」
「住まいがすぐそばだし、一応の見送りに来た」
 車内点検を終えて、バスの車外へ出てきた松本に声を掛けたのは、早朝からのバスを担当するにしても早い時間に出社してきた純一だった。
「あまり、緊張するなよ。普通に路線バスを走らせているくらいの気持ちで走ればいいんだ。あまり乗客のことを気にしたら、落ち着けなくなるから」
「そうですね。でも、前のロケまでは、ずっと純一が一人で担当していたけど、緊張はしなかったの?」 
「最初だけだよ。後は、時に身を任せていけばいいという感じでな」
「なるほど。ちゃんと成功できるようにがんばってきますわ。それでは、行ってきます」
 松本と高橋が乗りこんだ貸切バスが、番組ロケの集合場所へ向けて出発していった。

 純一はそれを見送ると、まだ誰も来ていない状態の事務所の中へと入っていった。
「松本…。どうして、そのロケバスの仕事に関しては、俺だけでやっていたか分かるか?」
 給湯室で湯を沸かしてコーヒーを淹れると、自分のデスクに座って、わざとらしく置いていかれた企画書に目を通しながら、独り言を言った。
「ファンをやるならプライベートだけにして、仕事にそれを一切持ち込まないようにしないと、ロケバスの仕事は出来ないと思う。北沢にだって出来るかもしれないけど、それは甘い気がする。松本だったら、ちゃんと仕事とプライベートを分けて、ちゃんと運転手としての任務を果たせると、俺は思っている。バスで怪我なんかさせたら、青葉台交通は息の根を止められかねないからな…」
 そのロケバスに乗せて、命を預かる人数は少ないが、その乗客が芸能人であるなら、応援しているファンは必ずいる。そのバスには、姿の見えない乗客が何人もいることを、分かっていてほしい。それを知って乗務できることを信じて、純一は代理の運転手を松本に頼んだ。だが、それは都合のいい言い訳なのかもしれないと、薄々純一は思っていた。
「社長、松本さんたちは出かけましたか?」
「ああ。今から、一時間前にな。納車されたばかりの新入り観光バスに乗ってさ」
 この日は珍しく、北沢が早くに出勤してきた。
「本当だったら、お前が行きたかっただろう。このロケバスの運行」
「ええ。でも、やっぱり、社長か松本さんくらいでないと、お偉いさんを乗せてバスを走らせるなんて出来ませんよね」
「そうだな。でも、やろうと思えば北沢にも出来るだろう」
「…無理ですよ」
「そんなに気を落とすな。それより、ロケ現場見たくないか?」
「えっ??」 
「城戸崎から青海温泉街辺りでロケをするようだから、折り返しの休憩をつぶす事を覚悟すれば、もしかしたら見れるかもしれないぞ」
「いいですね。そのロケと言うのも、なんか気になります」
「そればかりに気をとられるなよ。第一に、お客さんのほうが大事だからな」
「分かってますよ。公私混同しないで、ちゃんとお客さんを目的地までお送りしますから」
 そういうと、純一は北沢に始発便からの運行表を手渡した。
「よろしく頼む。始発はそんなに乗客は多くないけど、折り返してからの乗客が結構多いから」
「了解です。安全第一で、行って来ます」
 北沢が事務所を出て、車両点検を済ませた後に出庫していくと、後を追うように次々と運転手たちが出勤してきた。
「珍しいな。北沢が一番早い便に就くなんて」
「せいぜい早くても、5番目くらいの、多少軽く流せるのしか出なかっただろう」
「今日は、何か気合いが入っているみたいだったな。いつもとは違って」
「…いったい何が、北沢をそうさせたんだかな」
「あいつには、永年片思いの子がいるんだよ。きっと、思いをぶつけるのに、今のような流しモードの仕事ではいけないと、改心したんじゃないかな。ちゃんとした仕事をしているのを見てもらって、いつか告白できるようにしたいんだろうね」
 純一と他の運転手らが、北沢について話をしていたとき、出発前の点検を終えて事務所へと戻ってきた藤崎が話の中に入ってきた。
「朝風ルナの熱狂的なファンである北沢しか知らなかったから、それは意外だな」
「あいつだってさ、一途なところはあるんだ。バスの運転手になったのだって、小さいころからの憧れだったらしいし」
「そうだったのか…」
 運転手たちが事務所を後に、次々とバスを運転して営業所を出て行くと、純一はデスクの上にたまった書類に目を通したりと、デスクワークに集中していた。 
 朝の通勤通学ラッシュがひと段落し、昨日の夕方に出社し、当直勤務で朝ラッシュの便を担当した運転手が、乗務を終えて帰ってきた。
「やっぱり、眠いですね…」
「ご苦労さん。やっぱり、当直の勤務は、普通より疲れるだろう。間に寝る時間があっても」
「そうですね…」
 点呼を終わらせて、その運転手が帰っていった後、電話がかかってきた。純一が電話に出ると、受話器からは女の人の声が聞こえてきた。
「はい、青葉台交通でございます」
『もしもし、青葉台交通さんですか?? 私は、そちらに勤務している北沢敏彦の母でございますが…』
 北沢の母親と名乗る女性から、電話がかかってきた。
『いま、そちらに敏彦はいますか??』
「今、北沢は営業に出ております。ご用件があれば、お伝えいたしましょうか??」
『そう…。敏彦はそこにいないの…。実はですね、敏彦の幼馴染の深町さん、今日で東京に旅立つらしいんだけど、それを知っているのか分からなくて電話したんですけどね…』
「分かりました。北沢には、こちらでお伝えします」
 純一は電話をきると、無線機で北沢の運転するバスの無線を急いで呼び出した。
「北沢、聞こえるか!?」
『はい。こちら2467号車、北沢です』
「さっき、北沢のお母さんから電話がかかってきた。お前の幼馴染で深町とか言う人が、今日で東京へ旅立つらしいんだが、聞いていたか??」
『えっ??』
「…やっぱり、聞いていないみたいだな」
『そんなの、初耳ですよ』
 深町と言う幼馴染は、どうやら北沢には東京へ行く事を伝えてはいなかったようだ。
『俺だって、それを知っていたら遅刻なり休みにしてましたよ』
「…詳しい時間までは聞いていないけど、どうする??」
『どうするって??』
「…駅まで、自分で送ってあげたらどうだ??」
『そうしたいですけど、今は乗務中なんですよ? 行けるわけがないじゃないですか』
「今、どの路線を走っているんだ??」
『…もうすぐ、本社を通過するところですけど』
「青葉台バスセンターで待ってろ。俺が代わるから、お前は俺が乗ってきた車で、すぐに幼馴染のところへ行ってきな」
『いいですって…』
「…今、ここで行かなかったら、後で絶対に後悔するぞ。後は、俺に任せて、お前は行くんだ」
『…分かりました。でも、それで社長はいいんですか?』
「いいんだ。とにかく、お前は幼馴染のところへ行って、自分の思いを伝えてきな。それがいい結果にならなくても、後で行かなかった事に後悔するよりは、ずっといいから」
 無線が切れると、純一は自分のスカイラインを運転して、北沢と運転を交代する青葉台バスセンターまで向かった。

 北沢の運転するバスが青葉台バスセンターへ入っていくと、そこには純一が車の傍に立って待っていた。
「よし。ここからは、俺が代わる」
「すみません…」
「いいから。さっさと行ってきな」
 バスから乗客が完全に降りたのを確認した後で降りてきた北沢に、純一は自分の車の鍵を渡した。
 純一は北沢が車で青葉台バスセンターを出て行ったのを確認すると、彼が運転してきたバスへと乗り込み、乗り場へと移動させた。

 純一の車を借りた北沢が、幼馴染である深町美砂希の家へと着いたのは、彼女が家を出る少し前の事だった。
「…来てくれたの??」
「うちのオフクロが、勤め先に電話をかけてきてさ。そして社長に『ちゃんと見送って来い』と言われて、仕事を抜けさせてもらってきた」
「ごめん。どうしても、北沢君には電話が出来なくて」
「そんなの、いいさ…。ところで、駅まではどうやって行く気だった??」
「父さんに送ってもらうつもりだったけど…」
「そうか…。急に言って悪いけど、俺に駅まで送らせてほしい」
 美砂希の荷物を車に載せ、彼女を助手席に乗せた。
「この車…。北沢君のじゃないでしょ」
「社長のだよ。今日だけの予定で借りた」
「そうなの…。結局、北沢君とはデートとかも行けなかったね」
 美砂希の家から駅まで、ほぼ家も近かった北沢には通いなれた道だった。いつもならば何とも思わない道だが、今日に限っては『いつまでも、この道が続けばいいのに』と思ってしまった。
「…また、こっちには帰ってくるの??」  
「3年間くらいは、多分向こうね。それから帰ってくるかもしれないし、ずっと向こうの人間になってしまうかもしれないけど」
「…俺は、美砂希さんが帰ってくるまで、ずっと待ってるから」
「えっ??」
 青葉台駅まで近づいてきたとき、北沢は車のハンドルを青葉台駅からそれた道へ向けて走り出した。
「…どうして、こっちに行くの??」
「青葉台駅でも神崎駅でも、送って行くのは同じ事だから、神崎駅まで送る」
「…私が朝倉学園、北沢君が神崎美並高に行っていた時は、時間合わせて一緒にバス乗って、登下校したよね」
「そうだったね。それも、なんか昨日のことみたいに思い出されるけど…」
 神崎駅までの道中、2人は言葉を交わす事ができなかった。しかし、北沢は、今でなければ美砂希に伝えられないと、意を決した。
「…今まで言えなかったけど、俺はずっと、美砂希さんの事が好きだから」
「何で、そんな事を、こんな時に言うかな…。こっちに残りたくなるじゃない…」
「俺も、なぜもっと早く言えなかったか、後悔してるよ。本当に…」
 美砂希が北沢のほうを見ると、ハンドルを握る手が小刻みに震えている。
「実は、ここに来るまでの間も、ずっと悩んでいたんだ。俺がこんな事をしゃべったら、美砂希さんとの間が変わってしまいそうで…。ずっと、怖くて言えなかった」
「…その言葉を、もうちょっと早く聞きたかったよ。そうすれば、まだずっと一緒にいれたのにな」
 一瞬、車内は沈黙してしまった。神崎駅まで徐々に近づいていく中、その沈黙を破ったのは美砂希の方だった。
「3年たって、向こうで好きな人を見つけられなかったら、私はきっと帰ってくる。それまでの3年間、待っているつもり??」
「…美砂希さんが好きな人を見つけたら、そのときは諦める。でも、俺はずっと待ち続けるから」
 神崎駅に着き、2人は駅のホームを歩いた。既にそこには、美砂希が乗る『特急グランビューうみかぜ6号』が停まり、発車時刻を待っていた。
「向こうで落ち着いたら、手紙を書くから。絶対に、返事出してね」
「…約束する。絶対」
 美砂希が電車に乗り込み、ホームに発車ベルが鳴り響くと、彼女の乗った特急グランビューうみかぜ6号のドアが閉まり、静かに神崎駅のホームを後にした。
「さよなら、美砂希さん…」
 電車が見えなくなるまで、北沢はずっとホームで立ち尽くしていた。
「ダメだな…。どうして、夢に向かって走っていく美砂希さんを、どうして笑顔で見送れなかったんだろう…」
 駅の建物から出て、駐車場へと止めた車へと乗り込むと、再び仕事場所へと戻っていった。
『気持ちよく、見送れたか??』
 交差点近くのコンビニに車を止めたとき、都合よく携帯電話が鳴った。かけてきたのは純一だった。 
「…自分の気持ちは、ちゃんと伝えることは出来ましたよ。でも、それが逆に心残りですね…」
『どうして?』
「何か、ちゃんとした事を伝えられなかったような気がして…」
『そうか…。でも、大丈夫だろう。ちゃんと、その気持ちは彼女さんに伝わったと思う』
「…」
『どうする?? 今日は事務所の方に回るか??』
「いいえ。今日はちゃんと、路線バスの運行をこなします。次の青葉台バスセンターあたりで交代してください」
『…分かった。20分後に、青葉台バスセンターにいてほしい。そこで交代しよう』
「分かりました」
 電話が切れると、北沢の体から急に気力が抜けてしまった。それではいけないと思って、コンビニで缶コーヒーを買って飲んでも、駅での事が頭から離れず、青葉台バスセンターまで向かう道中も、なんとなくボーっとしていた。
 純一が代わりに乗務している自分のバスが入ってきたのを見ても、気持ちに力が入らなかった。
「これじゃ、到底任せられないな。これから、事務所へ戻って。今日は帰って休んだほうがいいぞ」
 北沢に交代する予定でいた純一は、そのまま自分で路線バスの運転を続ける事にし、担当者であった北沢には帰らせる事にした。
「すみません…」
「気持ちは分かるけどな。とにかく、仕事の事とかを一旦忘れて、気分転換することが大事だと思う。だから、今日はゆっくり休んでほしい」
 北沢は一度頭を下げると、そのまま純一の車を運転して、青葉台バスセンターを後にした。

「…北沢はちゃんと思いを伝えられたけど、俺は駄目だな。そこまで一途になれないよ…」
 純一は再びバスの中へと戻ると、まだ誰もいない車内で呟いていた。乗客が乗ってきて、発車時刻になったことにも気づいておらず、乗客に指摘されてようやく気づいた。
「運転手さん、発車しないんですか??」
「…あっ。申し訳ございません。城戸崎海岸行き、発車いたします」
 マイクで車内にいる乗客に詫びの放送をすると、純一は急いでバスを発車させた。
『本日も、青葉台交通をご利用くださいまして、ありがとうございます。このバスは城戸崎海岸行でございます』
 自動放送を流すと、不意に数日前のことを思い出してしまった。
 このバスの目的地である城戸崎海岸では、朝風ルナら4人で結成されていたグループ『DAシスターズ』の同窓会と証した、特別番組のロケが、きっと行われている事だろう。そのロケバスの運転手を頼まれていた純一は、朝風ルナこと佐奈が同じ芸能界で活躍する俳優・桜崎と交際しているという話を、非通知設定でかけてくる何者かの電話によって知り、その現場も目撃してしまった。
「あれで信じろなんて…。信じれるわけないだろう」
 彼女の熱愛報道の記事が出た翌日、貸切バスの依頼書やロケの企画書を持って現れた田崎が、帰り際に言い放ったその一言が、純一の脳裏に浮かんできた。
『君は、ルナが君を裏切って、俳優と付き合うような子だと思っているのか??』
 あの報道が出てしまった後であるし、その一言によって疑いが消えるわけではない。その反面では彼女の事を、未だに気にかけている。口ではあんなにひどいことを言ってしまっているのに、それでも彼女を諦めきれていない。
「…仕方ないだろう」
 そう呟いていた乗務中に、月風展望台でロケ現場を見かけた。その傍らの駐車場には、青葉台交通の貸切バスが止めてあったし、きっとDAシスターズ同窓会のロケだろう。
 しかし、そこは仕事であるし、バスの車内には下車客はおらず、バス停には乗車客もいなかったため、横目でチラッと現場を見ただけで通り過ぎた。

 純一がその日の乗務が終えて、事務所へと戻ったとき、そこには当直勤務の運転手と、同じように路線バス乗務へと出て、少し前に戻ってきたという運転手・藤崎の2人だけがいた。
「お疲れさんでした」
「そっちこそ、お疲れさん」
「あれ? 今日は北沢が行ってましたよね??」
 運行予定を書く黒板には、北沢の名前の横に『代走 藤本』と書かれているのだが、藤崎はそれには気づかなかったらしい。
「ああ。途中で俺に交代したんだ。後で交代するつもりだったけど、少し問題がありそうだったから、早退してもらった」
「…そうだったんすか。なぜ、あいつの車が無いのかと思いました」
「健康面とかそういう理由ではないから。明日は元気になって、出勤してくるだろう」
 黒板の内容を書き換えているとき、北沢の事を藤崎に聞かれて、運行を交代して帰らせた事を教えた。
「もしかして、幼馴染の事とかが絡んでいたのかな」
「その通りだよ。北沢の彼女が今日、東京へ発つという電話を受けてな。俺が交代した後、彼女を送ってから、運行へと戻ってくるつもりだったらしいけど、何かおかしかったし、今日は帰らせたんだ」
 藤崎が納得したかのように、帰り支度を整え始めた。純一は黒板を書き換えた後に給湯室へと入ると、自分のコーヒーを入れて出てきた。
「明日は俺は休みだけど、北沢は出勤だしな。あいつが休みだったら、飲みにでも誘えたんだけど」
「…北沢が休みだったら、今夜飲みに行ったのか?」
「まぁ…。開いている店も限られては来るでしょうけど…」
「後で、電話をかけてやってくれよ。俺よりも、友達である藤崎の方が、気持ちが分かると思うんだ」
「ええ、後でかけておきますわ。じゃ、お先に失礼します」
「お疲れさん」
 藤崎が帰って行った後、純一は当直の運転手に戸締りとかを確認するように頼み、住まいにしている寮へと帰った。

 高橋からの電話がかかってきたのは、純一がうとうとと眠りに就こうとしていた、真夜中近くになってからだった。
『藤本さん、大変です!! 佐奈さんが…朝風ルナが、いなくなりました!!』
「えっ??」
 布団から飛び起きると、再び服を着なおし、携帯電話と車の鍵を手に寮を出た。
 そして、愛車のスカイラインに飛び乗り、DAシスターズ同窓会ロケの宿泊先になっている、城戸崎海岸にあるホテルへ向かった。
「(…俺は、何を急いで城戸崎に行くのか)」
 純一自身、佐奈のことは忘れようとしていた。
 しかし、何らかんらで彼女のことを思い出してしまう。諦めきっているはずなのに、本心は諦めてはいない。
「…俺はまだ、佐奈のことが好きなのかもしれない。あの報道が嘘だったら、ちゃんと謝ろう」
 自然とアクセルを踏む足に力が入り、純一の運転する青いスカイラインR32はスピードを上げた。
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